この記事ではフィボナッチタイムゾーンについて解説していきます。
フィボナッチタイムゾーンはチャートの縦軸ではなく、横軸を対象に分析できる数少ないツールです。ツールの使い方や注意点を覚えて、トレードに活用してみてくださいね。
目次
FXのフィボナッチタイムゾーンとは?
フィボナッチタイムゾーンは、イタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチ氏が考案した「フィボナッチ数列」を用いた分析ツールです。
FXで広く用いられるフィボナッチ系分析ツールの中ではマイナーな存在ですが、使い方がわかれば便利なツールとなっています。
多くのテクニカル指標は価格(つまり、縦軸)を基準としますが、フィボナッチタイムゾーンは時間(つまり、横軸)を基準にします。
他のテクニカル指標とは違ったアプローチでチャートを分析できるという利点があるのです。
フィボナッチタイムゾーンをFXのチャートに表示させる方法
フィボナッチタイムゾーンは、相場の流れが変わった基点を2つ選んで結べばチャートに表示させることができます。
こちらのチャートを見るとわかるとおり、2つの基点の右側にフィボナッチ数列に応じた縦線が表示されます。
フィボナッチタイムゾーンによってわかるのは、天井や底といった相場の転換点です。
こちらのチャートでも、フィボナッチタイムゾーンのライン付近に相場の天井や底が位置していることがわかりますね。
フィボナッチタイムゾーンのおすすめ数値設定
フィボナッチタイムゾーンのラインを表示させる間隔は、自由に設定することができます。
たいていの取引ツールでは、初期設定でフィボナッチ数列の「1,2,3,5,8,13,21,34」に設定されていますので、そのまま使ってしまって問題ありません。
フィボナッチタイムゾーンは、使っているトレーダーがそれほど多くないツールですので、王道の数値設定で使った方が機能しやすくなりますよ。
フィボナッチタイムゾーンをFXのトレードに活かす方法
フィボナッチタイムゾーンは、利確の目安としてトレードに活かすのがおすすめです。
上昇トレンドが発生しているこちらのチャートでは、レートの下落を待っての「押し目買い」が基本戦略となります。
買いポジションを建てた後にレートが上昇し、フィボナッチタイムゾーンのラインに付近まできたら、そろそろ天井と判断して利益を確定させるといった具合です。
フィボナッチタイムゾーンを使うときの注意点
こうして見ていると、すごく効いている分析ツールであるように思えるのですが、フィボナッチタイムゾーンを使ううえで忘れてはならないことがあります。
それは、使っている人が少ないという事実です。
FXのチャートには投資家の心理が現れますから、意識している投資家が多いメジャーなツールほどよく機能しますし、その逆もしかりです。
移動平均線やMACD、フィボナッチリトレースメントといった王道ツールと比較すると、フィボナッチタイムゾーンの信頼度はかなり劣ります。
今回の記事では当然、フィボナッチタイムゾーンが機能しているチャートを引き合いに出しているのですが、残念ながら実戦で機能することはそれほど多くありません。
ですから、エントリーには使わず、利確の目安にする程度の使い方をおすすめしているのです。
また、フィボナッチタイムゾーンを分析の軸にするのは結構リスキーなので、他の王道ツールと組み合わせて使った方が良いでしょう。
フィボナッチタイムゾーンは他の指標と組み合わせて使うのがおすすめ
ということで最後に、他の分析ツールとの組み合わせの例もご紹介しておきます。
まずは基点を2つ決めてフィボナッチタイムゾーンを表示させます。
これまで2回ほど天井として機能しているので、このタイムゾーンは意識されているかも?と考えることができますね。
こちらのチャートでは上昇トレンドが続いている場面なので、押しを待ってから買いポジションを建てていくのが基本戦略です。
そこで、反発点を予測するためにフィボナッチリトレースメントを表示させます。
すると、61.8%がサポート帯、38.2%がレジスタンス帯となってのレンジ相場が形成されていることがわかりましたので、38.2%ラインを上に抜け出すところで買いポジションを建てます。
エントリーした後は、利確の目安に使えるフィボナッチエクスパンションを表示します。
フィボナッチタイムゾーンの次のラインに近づいたところで「そろそろ天井かな」と予想できますので、フィボナッチエクスパンションの100%付近で利益を確定させるといった感じです。
フィボナッチタイムゾーンは過信せず分析の補助として活用しよう
ということで、フィボナッチタイムゾーンに関する解説は以上となります。
フィボナッチタイムゾーンは相場の転換点にあたりをつけるのに便利な分析ツールですが、使用者が少ないので過信をしてはいけません。
分析の軸にはせず、補助的に用いる程度にとどめておきましょう。
コメントを残す